元独立トリマーが教えるスリッカーブラシの正しい使い方

愛犬の美容と健康
Pocket

犬を飼っているお家に一本は必ずあるといわれている定番のスリッカーブラシ

犬をブラッシングする道具として有名ですが、使い方を間違えると愛犬に痛い思いをさせてしまうだけではなく、ひどい時は皮膚に炎症が起きてしまうこともあります。

スリッカーを正しく使って、ブラッシングの時間を楽しいものにしてあげましょう。
  

スリッカーブラシの種類と特徴

スリッカーブラシとは一般的に長方形の土台にくの字型に曲げられたピンが並んでいるブラシです。

スリッカーにはソフトタイプとハードタイプがあります。

  • ソフトタイプ:主にブラッシングや被毛についた虫や汚れを落とすのに使います。
  • ハードタイプ:主に被毛のひどいもつれをほどくのに使います。

自宅で使用するにはソフトタイプがおすすめです。ハードタイプはピンがかなり硬いので一般的にはおすすめできません。

サイズも大・中・小とさまざまなので、犬の大きさに合わせて選んでください。

   

スリッカーバーンってなに?

  

まず、スリッカーを持って、ピンの部分を自分の肘の内側に置いてみてください。

動かすと危ないので、そのまま乗せているだけでピンの痛みが皮膚に伝わるかと思います。

そしてここからは想像してみてください。(ケガをするので想像だけですよ!)

そのスリッカーを皮膚の上でスッ~と動かすとどうなるでしょうか。

さらに、いつも愛犬にあてている力加減で動かすとどうなるでしょうか。

皮膚に傷がつき、ひどい時にはみみずばれになるかもしれません。

「犬は毛があるから大丈夫じゃないの?」と思われた方は、自分の髪の毛をそのスリッカーでとかせますか?

  

ちょっと脅かしてしまいましたが、それくらいスリッカーブラシの使い方には気をつけなくてはならないのです。

犬の皮膚にスリッカーのピンが直接あたり、力を入れて何度もとかしていると、その部分の皮膚が擦過傷を起こしてしまいます。

その傷を「スリッカーバーン」と言います。

もし愛犬がブラッシングを極端に嫌がる場合は、ピンが皮膚にあたって痛いのかもしれません。

スリッカーを使うときは、ほとんど力は必要ありません。

大切な愛犬の皮膚に傷をつけて「スリッカーバーン」を起こさないよう、スリッカーの使い方には十分気をつけてあげてください。

   

スリッカーブラシを使う犬種

  

基本的に長毛犬種に使用します。

例えば、プードル、シーズー、シュナウザー、マルチーズのようなシングルコートの犬種や、

さらに柴犬、ポメラニアン、シェットランドシープドッグ、ゴールデンレトリバーなどのダブルコートの犬種なども使います。

フレンチブルドッグやチワワ(短毛)、パグなどの短毛犬種には使わないでください。

   

スリッカーの間違った持ち方と正しい持ち方

  

スリッカーはどのように持っていますか?

間違った持ち方をしていると、犬の皮膚を傷つけてしまうことがあります。

力を入れずに、軽く動かせる持ち方を心がけてください。

  

1.スリッカーの間違った持ち方

スリッカーの柄を握りしめて持っていませんか?

この持ち方でブラッシングすると、力が入ってしまい、犬の皮膚を傷つけることにつながります。

すぐにやめましょう。

  

2.スリッカーの正しい持ち方(1:鉛筆持ち)

鉛筆を持つような握り方です。

軽く握るため、垂直に力が入りにくく、皮膚を傷つけにくくなります。

動かす時も、軽く動かせるので楽に使うことができます。

   

3.スリッカーの正しい持ち方(2:お箸持ち)

まず、お箸を1本だけ持つように軽く持ってください。

次に中指・薬指・小指を裏面のピンの上に軽くのせます。

こうすることで、先のとがったピンと皮膚の間に指が入るので、皮膚を傷つけることはありません。

こちらも軽く手に乗せるように持ちます。

ちなみに私はこのお箸持ちをしていましたが、初心者でも安全な持ち方なので、お家でのブラッシングにはおすすめです。

トリマーにより持ち方はそれぞれ違いますが、「強く握らず、優しく軽く」が基本です。

   

スリッカーの正しい使い方

スリッカーの正しい持ち方ができれば、次は使い方です。

鉛筆持ちでもお箸持ちでも構いませんが、力を抜いて軽く持ちましょう。

スリッカーを皮膚と平行にあて、力を加えず軽く柄の方向へ動かします。

腕を動かすのではなく、手首のスナップをきかせながら前後に動かし、毛をとかしていきます。

 

この時一番大切な事は、皮膚からブラシを少し浮かせて状態でといてあげること。

どうしてもピンが犬の皮膚に当たるようであれば、上記3のお箸持ちで、ピンの表面に指を軽く添え、犬の皮膚とスリッカーのピンの間に指が入るようにします。

そうすればピンが皮膚にあたって痛い思いをさせずにすみます。

愛犬がじっとしてくれているのであれば、左手で被毛を分けながら、少しずつといてあげてください。

  

スリッカーブラシは使っているうちに、ピンが折れたり、曲がってきたりします。

そのまま使っていると犬の皮膚を傷つけることになるので、折れたピンは引き抜くか、新しく買い替えましょう。
  

ONS スリッカーブラシ ソフトタイプ 中[定形外郵便、送料無料、代引不可]

価格:1,254円
(2021/3/15 15:00時点)

error: Content is protected !!