自宅で犬をシャンプーした後、ドライヤーで乾燥させるのはひと苦労ですね。
特に毛量の多い子は乾かす時間がかなりかかるので、「もう自然乾燥でいいや!」なんてことありませんか?
乾かし残しは犬にとって皮膚病につながることもあります。
ちょっとしたコツをつかめば、乾かす時間も短縮でき、さらにふわふわに仕上げることもできます。
独立開業した元トリマーの私が、一日10頭もの犬をブローしてきた方法を伝授します。
シャンプー後の正しい乾かし方(ブロー方法)を解説します。
どうして自然乾燥じゃダメなの?
犬のシャンプー後にタオルドライのみで、そのまま自然乾燥させているという飼い主さんもいるのではないでしょうか。
特に暑い夏場や、短毛の犬種の場合は自然乾燥でもいいのでは?と思うかもしれませんが、犬にとって自然乾燥はリスクが伴います。
1.皮膚病になるリスクがある
タオルドライだけで済ませると、皮膚はまだ濡れたままです。そのまま生乾きの状態にしておくと、皮膚に菌が繁殖し、カビが生えたり、皮膚病の原因になったりすることがあります。
2.体調が悪くなるリスクがある
犬の体を濡れたままにしておくと、体が冷えてしまい、風邪をひいたり体調が悪くなってしまうこともあります。特に子犬の場合は要注意です。
シャンプー後は必ずしっかりとドライヤーで体を乾燥させてあげてください。
これが速乾のコツ!
犬のシャンプー後にドライヤーをかけるのはちょっと面倒かもしれませんが、愛犬のためにしっかりと全身を乾燥させてあげてください。
そのために、少しでも早くしっかりと乾かす方法を覚えておくとよいでしょう。
1.タオルドライはしっかり行う
シャンプー後はしっかりとタオルドライをしてください。できれば犬用の速乾タオルなどがあれば便利です。タオルドライをしっかり行うことで、ドライヤーで乾かす時間が短くなります。
2.「背中→お尻→前胸→お腹→顔→足→尾」の順で乾かす
犬にドライヤーをかける時、なんとなく体全体に風をあててませんか?体全体をなんとなく乾かしていると、時間がかかるだけでなく、生乾き部分が残ってしまいます。
犬の背中からスタートし、背中が完全に乾いたらお尻を乾かす。というように、順番に完全に乾かしてください。その方が乾かす時間が短くなり、さらに生乾きの部分も残ることがありません。
3.スリッカーブラシなどをかけながら乾かす
ドライヤーの風が当たっている部分にスリッカーをかけながら乾かします。犬用のハンドフリードライヤーがあれば両手が使えるので便利です。ただ犬がドライヤーを嫌がって暴れてしまう場合は、スリッカーを使わずに手で乾かしてください。
スリッカーの正しい使い方は→元トリマーが教えるスリッカーブラシの正しい使い方をご参考に。
正しいドライヤーのかけ方
1.シャンプー後、しっかりとタオルで水分を吸収させる
シャンプー後はドライヤーで乾かす前に、まずはしっかりとタオルドライを行ってください。犬用の速乾タオルを1枚用意しておくととても便利です。
2.「背中→お尻→前胸→お腹→顔→足→尾」の順でドライヤーをかけて乾かす
速乾のコツでもお話しましたが、なんとなく体全体にドライヤーをかけて乾かすのではなく、背中から順に完全に乾かしてから、次の部分に移るようにしてください。その方が乾かす時間が短くなり、さらに生乾きの部分も残ることがありません。
3.乾かす時はスリッカーなどを使い、毛を逆立てるように梳かしながら乾かす
テーブルなどの台の上でじっとしてくれている子(犬)は、片手でドライヤー、もう片手でスリッカーを持ち、スリッカーで毛を逆立てるように梳かしながらその部分にドライヤーをあてて乾かしていきます。これはトリマーが犬をサラふわに仕上げる場合に行うブロー方法です。特にプードルなどの巻き毛の犬はサラサラに仕上がりますのでお勧めです。ただし少し慣れが必要なので、犬の負担がかからないように少しずつチャレンジしてみてください。
犬用のハンドフリードライヤーがあれば両手が使えるので便利です。犬が嫌がる場合は、スリッカーを使わずに手で行ってください。
4.乾かし残しがないか手で触って確認する
全身乾かしたつもりでも、手で毛の根元を触っていくと、生乾きのところがよく残っています。最後に全身を手で触って確認してください。特に指の間やわきの下、耳の後ろや尾はよく乾かし残しがある部分です。細部までしっかりと乾かしてください。
5.冷風をあててクールダウンさせる
夏場など気温が高い時や、ドライヤーで体が熱くなっている場合は、冷風を体全体にあててクールダウンさせてあげましょう。
6.スリッカーやコームなどで全身きれいに梳かす
仕上げはスリッカーやピンブラシ、コームなど犬種に合ったブラシなどで全身きれいに梳かしてあげましょう。毛玉が残っていないかの確認もできます。
ドライヤーをかける時の注意点
犬はもともとドライヤーが嫌いです。
大人しい子もじっと我慢してくれているので、できるだけ負担がかからないように注意して行いましょう。
1.ドライヤーの温度は低めで体から少し離して風をあてましょう
できれば温度調節のできるドライヤーを使ってください。ドライヤーの風が熱くなりすぎていないか、時々自分の手をあてて確認してください。また、ドライヤーが近すぎるとやけどをしてしまうので、20cm以上は離して風をあててください。
2.顔周りを嫌がる場合は、後頭部から風をあてましょう
犬は目や鼻に風が当たるのを嫌がります。顔に風が当たるのを嫌がる子は、後頭部や斜め後ろから風をあて、目や鼻に風があたらないように手で覆って乾かしてあげましょう。
3.耳を乾かす時は、耳の中に風が入らないようにしましょう
犬は耳の中にも風が入るのを嫌がります。耳の裏を乾かす時は、手で耳の入り口を覆って風が入らないようにしましょう。
4.乾かし残しがないか最後に手で全身を触って確認しましょう
全身乾かしたつもりでも、手で毛の根元を触っていくと、生乾きのところがよく残っています。最後に全身を手で触って確認してください。
< 乾かし残しがある場所 >
- 手足、特に指の間
- わきの下や内また
- お腹周り
- 耳の後ろ側
- 尾
5.ドライヤーに慣れさせましょう
子犬の時からドライヤーの音や風に慣れさせておくと、シャンプー後のブローがとても楽になります。私の場合ですが、子犬の時から、私自身が髪を乾かす時にも、必ず犬を膝に乗せてほめながら、ドライヤーの音や風に慣れさせておきます。そうするとドライヤーを嫌がることなくブローさせてくれるようになります。